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劇作は愉し……いけど。

ひたすら戯曲。
読んでいるのはこちら。

劇作は愉し―名作戯曲に作劇を学ぶ

劇作は愉し―名作戯曲に作劇を学ぶ

 

これすごい面白い。買いたい……が、2500円。5日分の食費である。うーむ。もうちょっと余裕ができるまでは、図書館でひたすら貸出→延長→返却からの即時貸出、をループさせよう。余裕ができる予定ないけど、ぜんぜん。

で、これを読んでいたら、自分の書こうとしていた戯曲の粗筋が、なんだか猛烈に嫌になってしまった。途中まで書いたもののなんとなく面白くなくて、どこをどういじろうかと考えていたのだけど、なんだか大筋そのものが嫌になってきてしまって、いやいやだめだ、それは無しだ! とおもっているところ。

わたしの戯曲は、なんということのない一時間程度のホームドラマで、いいお話なのだけど、ちっとも面白くない。なぜか? 人物が魅力的でない? テーマがない? 台詞がつまらない? うーん、全部ありそう。困ったもんだ。で、おもしろくする方法はないか、と本を読んでいたところ(戯曲論の参考図書として指定されていたし、レポートのためでもあるんだけど)、以下の記述にハッとさせられた。

 悪党に変身したり、思想を捨てて転向する人々を描いた戯曲なら何本も上げることができるが、人物が「善い人」に変わる芝居は見つけるのに苦労する。善を描くのはむずかしい。人物造形の天才と言われたドストエフスキーでさえ、≪カラマーゾフの兄弟≫の登場人物の中で、誠実に生きる三男のアリョーシャは、悪魔のような長男、ニヒリストの次男に比べて魅力がない。
 日本人は≪平家物語≫に親しんでいるから、「勝ち戦に文学はない」ことを知っている。いや、日本人だけじゃない。南北戦争に勝った北軍には≪風と共に去りぬ≫は、生まれなかった。殺意は突然起こるが、善を選ぶには思慮が必要だという事情もある。残念なことに、劇中で人間が成長したり善に変身したりするのは、大衆向けの商業演劇にしか見当たらない。

 (略)

 ウェスかーは『大麦入りのチキンスープ』でハリイ・カーンにこう語らせている。
「人間は変えられるもんじゃない……できるのは愛を与えることだけだ。それを受け入れてくれることを待つだけさ」
 この世界をリアルに見る人たちは、人間はそうそう変われるものじゃないことを知っていた。

まあ、こういうことですよね。うん、すごい合点がいくわけです。

わたしの書こうとしてる芝居は、簡単にいうと、イマドキの女子高校生が『成長する』お話。でもそんなの、芝居でやることねえんじゃねえかなあ……みたいな? つーかそんなの観たいかなあ。観ててたのしい芝居じゃない気がする。

じゃあ観てて楽しい芝居ってなんだろう、お芝居だからこそできることってなんなんだろう。と、ふりだしに戻る。

なんでこの粗筋と登場人物が生まれたかというと、課題の要件に『一幕物、一晩物が望ましい』とあって。で、あれこれ読んだりして、一晩物だったら、お通夜・葬式・同窓会が鉄板らしい、とわかって、まあ鉄板でいきましょう、と、お通夜にしたわけです。
わたしは家族の物語を書きたいので、同窓会よりお通夜だろ、と。

そんで、お通夜の夜になにが起きるかを考えて、モテモテだったお父さん(バツ2)(わたしと一緒♡)が死んで、その妻、元妻、娘たちが織り成す群像劇にしよう、と。まず人物を決めて、で、なんも考えず戯曲を書き出してみたわけ。適当に好きなようにしゃべらせて。誰が主人公、とかもなく。

そしたらまあ、すいすい台詞が出てくるので、おお、こりゃいいや、と勝手にしゃべらせてたら、高校生の女の子が妊娠してるって云いだして、ええー! とわたしもびっくり、みたいな展開になったわけですよ。

で、戯曲演習の第一課題として、粗筋と登場人物表と題名案を提出して、戯曲の授業を実際に受けて、先生にも問題ないでしょうとOKをもらって、さあ戯曲を書くぞ! といっても前にけっこう書いたから続きからだし楽勝だけど! とおもってたら、なんとその書き途中だった戯曲が消えてしまっていて、まあびっくり。

仕方なく一から書き始めたんだけど、なんとなく筆がのらない。行きつ戻りつしながらなんとか八割がた仕上げたものの、うーん……? なんか面白くないぞ? どうしたんだ? ってなって、その途中のやつを学友たちにも読んでもらったところ、やっぱり、うーん? って感じで、だよね、つまんないよね、と。いまここ。です、はい。

女子高生の成長とかどうでもええねん! たぶん。わあ、どうしよう……。とりあえずこの本をもうちょっと読んでみて、なるはやで方向性を決めたいところ。決めないと死んじゃうし。

けどまあ、あのままトントン拍子にお話が終わるより、書きかけの原稿が消えちゃって、書き直そうとしても全然進まなくて、仕方なく本を読んで、やっぱり根本から変えようか、って悩むほうが、結果的にはすごい勉強になってて、これでよかったんだろうなっておもっている。すごい勉強してる感が半端ねえ。……時間ないけど。

いい戯曲かくぞー。元役者志望としては、妥協は許されないわけです。ええ。がんばる。